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与えられた罪
想い出にするには時間がかかった‥ あの日からもうすぐ半年が過ぎようとしてる
淋しさを紛らわせるかのように上司との関係も続けたまま
あれから気になってた携帯の着信も今は気にならなくなって来てた 何気なくランプが点滅してるのが気になって携帯を開いた
削除しようと何回も消しては登録してた浩志からの半年ぶりのメール‥ 内容は 「元気か? もう少ししたら子供もチビだけだね 後少しだな 頑張れよ」 チビとは1番末っ子の事‥ 背が低いからいつもチビって呼んでいた 微かに覚えていたはずの好きだった人の記憶が甦って来る‥ 忘れたくない 今なら素直に話せる 落ち着いて話しができる‥ そう思って勇気を出して返信した‥
長くもないメール‥返事はないかも知れない でも一言だけ伝えたかった 「ごめんね‥ ありがとう‥」
これでよかった 傷つけたのは私も同じ 辛い事ばかり思い出してたけど‥ 時間が経つにつれ楽しかった事ばかり‥ 想い出していた
仕事を終え、疲れて‥帰ろうと車に向かう 私の車の隣には見慣れた車‥ 浩志が待っていた 窓から顔を出して照れたように「お疲れさん」と… なんだか私も恥ずかしくて笑った… 空白だった時間がたった一瞬で埋められていくのがわかった あ~私はやっぱりこの人が好きなんだ… たとえ二度と結ばれなくてもかまわない 離れたくない… 上手く話せないのがわかったのか黙って「帰るぞ~ 置いてくぞ~」と笑いながら浩志が言った 慌てて自分の車に乗りエンジンをかけた コンビニに寄って仲良くビールを買う 久しぶりに一緒に過ごす時間… すれ違った原因はもうどうでもよくなっていた
神様の悪戯… 私の犯した罪が目の前まで迫ってるとは幸せな気持ちの私はまだ気がついてなかった
久しぶりなのもつかの間朝早くからまたいつものように仕事 浩志も自分の家に帰ってく あの日は朝からなんだかすぐれなかった 体がダルい‥珍しくそう思っていた すぐ良くなるだろう‥ でも夕方になっても夜になっても良くなるどころかきつくて仕方ない おかしい‥ 嫌な予感が頭をよぎった‥
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