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事の発端
まだ日が上がったばかりの人気の薄い町並を一人の少年が息を切らしながら走っていた。
水色の髪を棚引かせ、
太陽の光にあたれば、
緑色にもなる不思議な瞳は、
彼の整った顔つきを一層魅力的に輝かせた。
彼の家は普通のパン屋だ。
別にこれと行って売れのいいパン屋と言うわけじゃないが、
そこらのパン屋のパンよりは美味いと言う事で町では少しなのしれたパン屋だった。
「はぁ、はぁ…」
荒くなった息を少し整え、
荒れ果てた庭の真ん中に聳え立つ屋敷に少年は目をやる。
「ここだな…。」
そう呟き、
彼は中に足を進める。
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