つかの間の同居人

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えーっと、これはおいらがこれまで聞いた中で二番目に恐いと思った話です。 ある若者が、就職を機に引っ越すことになりまして。 ま、どーしても仕事が夜遅くなっちゃうんで、それまで住んでたとこから通うのがむつかしい、なるべく近い場所に住みたい、ってのがあってね。 ま、仕事がとにかく拘束時間ハードな職場だってのもありまして、部屋なんて荷物置く場所、帰って寝る場所なんていう意識ですよ。 で、そーいう意識で探してるもんだから、すぐにいい物件が見つかりまして。 そこは、部屋も広めで荷物も沢山おけるし、何よりも職場まで自転車で行ける距離なんです。駅も近くて、生活になんら不便はない。 ちょっと建築年数経っちゃってるのが気になったものの、それにしたって安い。 立地がちょうど線路の真横というか真下にありまして、騒音と振動は結構なもの、とは不動産屋の説明でしたが、そんなことは気にせず即決です。 そもそも、電車がガンガン通ってるような時間、彼は仕事で部屋開けてるわけですからね。
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