第十五章

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 練習が終わって、帰ろうとしたとき、あたしは教室に教科書を置きっぱなしに気付いた。 慌てて教室へと向かう。 すると、奥の教室のドアが開いた。  そこから出たのは、将と山内さんだった。 山内さんの首には、小さな痣が点々と付いている。 その痣には覚えがある。 キスマーク……。  将と山内さん、してたんだ……。  そう思うと、胸がズキズキと痛む。 「……っ!」  あたしは踵を返した。 「明音!?」  将の呼び声にも気付かず、ただただひたすら逃げるように走った。
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