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あたしはいつもの通り、合奏が終わった後教室で大樹君と練習。
大樹君はいつもと変わらない態度で接してくれる。
「明音ちゃん。もう一回ここ吹いてみてみよう」
「うん」
あたし達は一緒に吹くけど、あたしが大樹君の演奏とズレる。
いつもならこんなにズレないのに。
大樹君が一旦吹くのをやめ、あたしもやめる。
「今日は合わないね。どうしたの?」と、大樹君はあたしの顔を覗き込む。
あたしはぱっと目を反らす。
「な、なんでもないよ。ごめんね」
「ほんとに?」
「え?」
大樹君はあたしの顔をそっと触れ、顔を近づけた。
キスしそうな距離に。
ゆっくりとどんどん距離を縮めていく。
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