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ただの宝石じゃない。
かなりの大粒のラルク石がはめられた指輪だ。
ラルク石は一見、ガラスと見間違うことも少なくない。
しかし、一筋の光が虹色に分裂し反射する様は、まさに輝石中の輝石。
粒が大きいほど、その価値は上がり、場合によっては数億単位で取引も可能である。
王子の出した指輪は市場価格なら二五〇〇ぐらいだが、オークションにかければ二万オールは固い。
「いや~おにーさん話わかるねぇ」
交渉成立して、そのラルク石のはまる指輪を差し出したまま、王子はあの笑顔のまま続ける。
「もちろんですよ、危険手当込ですからね~」
噂、すこしは信用した方がいいだろうか。
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