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「はぁ……」
グレイ学園のある教室で、一人の女子生徒がため息をついた。
その女子生徒は、優しい栗色の髪と瞳をしている。
しかし、対照的に目元はキリッとしまっていて、一見キツそうな性格に見える。
生徒の名は、ロゼ=クルスニス。
彼女も生徒失踪事件の当事者の一人である。
そして彼女には親友が二人居る。
エメリア=トーウェンと、アレス=ルーサーだ。
エメリアは藍色の、アレスは桃色の髪を持ち、瞳の色は二人とも蒼色だ。
彼女ら二人も、ロゼと同様に事件の当事者である。
彼女達はもともと仲が良かったのだが、事件以来、なにかと三人で行動する事が増えていた。
再び仲間が目の前から消えるのだけは、絶対に嫌だった。
「ロゼ…元気だして……?」
「そうですよ。『あの方』も必ず帰って来ますよ!」
事件以来、いつもの調子を失ってしまったロゼを、二人が励ます。
余談だがアレスはあれ以来、以前より積極的に話すようになった。
それがロゼの為だということに、誰も気づかなかったが……。
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