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まだ早かった為、クラスにロゼ達以外の生徒は居なかった。
しかし時間が経つに連れて、だんだんと生徒が登校して来る。
三人はその中にエルディとバッシュの姿を見つけた。
「エルディ、バッシュおはよう」
「おはよう、ロゼ。それに二人も」
にこやかに応えるエルディ。
ロゼはエルディとの差を嫌でも実感した。
一番辛い筈のエルディが頑張っているんだ。
自分も頑張らなければ、そう思えた。
「お二人とも傷の具合はどうですか?」
「僕はかすり傷が多かったから問題ないけど、バッシュは……」
そう言うと、エルディは俯いてしまった。
エルディとバッシュの二人は、傷を負っていた。
しかし二人は、決して理由を話そうとはしなかった。
詳しい内容が分からなくても、ロゼ達も馬鹿ではない。
なんらかのかたちで、『彼』と戦闘になったという事位予想がつく。
しかし口に出すのが怖かったのだ。
そして、エルディは兎も角として、バッシュの傷が問題だった。
彼は風魔法をその身に浴び、運悪く腱を損傷し、片脚の機能を失っていた。
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