第1話:判決は

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(動け…!) ダメだ、足に力が入らない。 (動け、動け、動け、動いてよ。君がが動かなきゃボクは死んじゃうんだ。足が動なきゃ、ボクは・・・!) やっぱりダメだ。 そうか、死ぬのか。ボクはここで記憶を無くしたまま死ぬのか。 先生が棒を頭上に上げたところで目をつむった。 溜まっていた涙が頬を伝った。 ----ヒュンッ 風を切る音…頭が割れる音はしなかった。痛みも無かった。 暗い。 真っ暗だ。 ここは…死後の世界? …死後の世界って…何? …頭に何かが触れた。 …触れた? 「目を開けな」 「ぁぅ…?」 目を開けた。そうか、目を閉じていたから…。 た…助かった。 「ぅぅ…」 涙が次々と出てくる。 「な…泣くなよ」
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