第1話:判決は

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記憶喪失は都合のいいものだ。自分が普段使用している言語以外はほとんどわすれてしまうのだから。 たとえば、嫌な記憶とか… 「…ぅする?」 「どうするって…」 話し声が聞こえる。 「あたいは知らないわよ!」 「あ!小町!待ちなさ…!」 …なんかもめている様だ。 ボクは瞼を開いて辺りを見回した。 ここは…どこだろう? そして何故だろう? 手足が動かない。 何故かはすぐに理解できた。 金縛りとか拘束とかそんなチャチなモンではない。 ボクが重症を負っているからだ。
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