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なんでだろう?
なんでいきなり稽古をしなければいけないのだろう?
見知らぬ人に。
…そうか…あいつか…
ヤマザナドゥさんか。
あいつがこいつに頼んだのか。
うだうだ考えていたら棒切れが飛んできた。
「あぅ」
見事に頭に命中。
「じゃ、始めるか」
向こうも棒切れを構える。鎌でなくてよかった。
そう思っていたら…
「何ボーっとしてんだ?」
一瞬で間合いをつめられ、フルスイングを右頬に喰らった。
----バガンッ
「ぁがっ」
鉄の味が口に広がる…骨(?)の臭いがする…フォンと風の切る音がする。
(飛ん…)
と次の瞬間…
----バグッと凄い音がした。
「がっ」
背中を何かに打ち付けた。
重力に引き寄せられ体が地面に落ちる。
----メキメキメキ…ズズン…何かが倒れた。葉が落ちる音…倒れたのは樹だろう。
「おぐぇ…」
ペッと口に溜まった液体を吐き出す。同時に折れた歯が数本。
気を失いそうになったその時…
名も知らぬ稽古の先生が
「はぁっ!」
と棒を縦に振り下ろす。
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