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「やぁッ、…ん」
隣の部屋から聞こえてくる鳴き声。
…ナニこの微妙な空気。
わぁーたよッ、出てけばいいんでっしゃろ。
母親が再婚した相手は最低野郎。
母にこそ言わないもののいい奴とは思えない。
「僕、出てく」
華の女子高生だというのに、昔からずーっと一人称は、僕。
「はあーいッ。ママ、とぉーっても、さみしいけどぉなるちゃんがゆーんだったら我慢するぅ」
ったくどっから声出してんだよ。
母の隣で嬉しそうに展開を見守る最低野郎。
そーして僕こと御堂鳴海(ミドウナルミ)は、住み慣れた我が家を出た。
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