第一章~玩具は○○○~

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「…失敗した」 周囲を見渡し、言葉がこぼれた。 前途有望な学生は「後、二十秒」とだけ残し跡形もなく消えていた。 勿論、逃げると言う事は頭の隅にはあった。 ただ、返事をしてくれたのでてっきり何かしらのアクションをとってくれるかと思った。 だけど彼は逃げた。 茂みを探しても見つからない。 耳を澄ますが足音や荒れた息も聞こえない。 あれだけ走って息が切れてないという事はないだろうし、やはり逃げたのだろうか? ………………………でも、まあいいか。 学生の名前はわかっているんだし。 また明日にでもしよう。
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