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ところ変わって教室
輝は悩んでいた、いつになく悩んでいた
「おい輝、なにしてんだ?」
授業中というのに後ろを向き話し掛けてきたのはクラスメートの白鳥である
「ん~とっとり実はどう話し掛けるか悩んでたんだよ」
「しらとりな!なんだよお前らしくも無い、いつも女子と会話してるじゃん!」
「そうだけど……ん~」
と白鳥は下にある一枚の紙を見た
そこにはびっしりと会話の内容が書いてあった
①『おっはよ~ってもう昼か、あはは、君はなんで遅刻したの?』
『おはよう、私は病気がちで病院に行ってたの』
『そうなんだ……そんな君を守りたいんだ!』
『素敵…』
②『やぁ、おはよう、すがすがしい朝ですね…』
『そうですわね』
『そこで君をデートに誘いたい、よろしいかな?』
『素敵…』
③『君が好きだ~!!』
『素敵…』
(ねぇわ……)
白鳥は心の中で思う
「なぁ、どれがいいと思う?①の王子様系か②のジェントルマン系か③の熱血系……俺は②のジェントルマン系がいいかなって思ってるんだけど…」
「いや、それ全部……」
却下しようとした時に輝を見て言葉を飲み込んだ
すんごく真面目な顔でこちらを見つめる輝の目が哀れだった、可哀相だったので
「じゃぁふ、普通系で……」
「普通?」
とてつもなくふっつーの解答である
「そ、そう普通に、普段どおーり喋ればいいんだよ、な、な!」
白鳥はでたらめに答えたふっつーの解答を強引に輝を納得させることにした
「お、おう普段通りだな、まかせとけ!」
成功
白鳥はあんどの息を漏らした
そして授業が終わる鐘が鳴り響く……
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