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暫し砂ぼこりが舞い上がり、視界を隠す。
祐輔(やったか…)
皆が固唾を呑んで見守る。
やがて、砂ぼこりが消え視界が回復した。
祐輔「!?」
祐輔は目を見開いた。
なんと男は傷一つつかぬまま、先ほどと変わらない姿勢でいたのだ。
男「今のは少し効いたぜ」
男は顔を保護していた、両腕を降ろしながら言った。
祐輔(そんな…今のが効いてない…!?)
祐輔は一歩、後ずさった。
自分の唯一と言っていい必殺の技が、通用しなかったのだ。
自分の自信が無惨にも砕かれたような状態に陥った。
太刀を掴んでいる腕をダラン、と下げる。
白龍「おい!気抜くな。くるぞ!」
白龍の忠告通り、男は地を蹴り祐輔に迫る。
祐輔はそれを迎撃するように、太刀を構え柄を強く握った。
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