火の国の守り神

17/23

20人が本棚に入れています
本棚に追加
/111ページ
そして、自分の道を切り開こうとしたのだが。 結局は昔と同じなのである。 上辺、気持ちだけは変わろうとしても本質である、深いところでは簡単には変われないのだ。 祐輔(…ちきしょう) 祐輔は変われない自分に悔しさを感じ、歯を噛み締めた。 ふと、視界の地面に影が差した。 そこには、男が立ちいかにもつまらなそうな顔をして 男「なんでぇ、もう終わりか。少しはやると思ったのによ」 男は祐輔の頭を片手で掴み、軽々と持ち上げる。 掴まれた頭にもの凄い圧迫感を感じているが、抵抗する気が起きない。 男「じゃあ、死にな」 そう言って男は、もう片方の傘を持っている腕を引いた。 傘の先端は祐輔に向けられている。 そして、それを突き刺そうとした時―― アラン「祐輔ぇぇ!」 アランは突如叫び、風のような早さで男に近づき、槍を振り降ろした。 槍をバチバチ、と青白い火花を散らしている。
/111ページ

最初のコメントを投稿しよう!

20人が本棚に入れています
本棚に追加