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そして、自分の道を切り開こうとしたのだが。
結局は昔と同じなのである。
上辺、気持ちだけは変わろうとしても本質である、深いところでは簡単には変われないのだ。
祐輔(…ちきしょう)
祐輔は変われない自分に悔しさを感じ、歯を噛み締めた。
ふと、視界の地面に影が差した。
そこには、男が立ちいかにもつまらなそうな顔をして
男「なんでぇ、もう終わりか。少しはやると思ったのによ」
男は祐輔の頭を片手で掴み、軽々と持ち上げる。
掴まれた頭にもの凄い圧迫感を感じているが、抵抗する気が起きない。
男「じゃあ、死にな」
そう言って男は、もう片方の傘を持っている腕を引いた。
傘の先端は祐輔に向けられている。
そして、それを突き刺そうとした時――
アラン「祐輔ぇぇ!」
アランは突如叫び、風のような早さで男に近づき、槍を振り降ろした。
槍をバチバチ、と青白い火花を散らしている。
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