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「おお!やっとか。遅ぇんだよ」
やはり、傘が喋っていたのだ。
祐輔の耳に間違いはなかった。
これもまた、物が喋るという、非現実的な存在である。
祐輔「って何で傘が喋ってる?ここはどこだ?何がおこったんだ?」
と祐輔は機関銃のように、質問を傘に浴びせる。
非現実な傘が何か知っているかも知れない、という一抹の期待を込めて。
傘「んな、一度に3つも質問されても困る。俺様の脳は小さいんでな。だがらよぉ、一つずつ返答すんぜ。まずは、ここはオメェがいた世界じゃねぇ」
傘は悠々と言った。
――ここは俺の居た世界じゃない?
そんなのあり得ない!
ここは、地球のどこかに違いない……
祐輔は未だ非現実を信じられない。
自分で身を持って体験したというのに。
信じられないというのは、非現実に対して納得していないのと同義である。
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