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祐輔「ここが異世界だということを信じられるか!」
祐輔はつい大声で怒鳴ってしまった。
今までの不安を全てとはいわないが、吐き出たのだ。
それも仕方がないことである。
まだ、15才の少年なのだから。
傘「お前の世界では、傘が喋るか?それだけで十分だ」
傘は冷たく言い放つ。
非現実に住む者達には非現実は現実である。
現実を見やがれ、という意味合いが含まれているようにもみえる。
少しの沈黙の後、再び傘が口を開く
傘「次は俺様が喋るのはいいとして、何が起こったのかは…知らん」
意気揚々と言った。
――傘ですら分からないか……
これからどうしようか……
と祐輔が考えていると、叢からカザッガサッと音がする。
祐輔はスッ、と音がした方へ見る。
しばらくすると、何かが叢から飛び出して来た。
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