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それは、一匹の狼であった。
しかし普通の狼とは違い、二つの足でしっかり地面に立っている。
人間と同じ二足歩行だ。
祐輔「な、何だアレは?」
祐輔は目を見開いた。
狼というのは知っているが、普通は人間のように立たない。
すると、狼は祐輔と目が合い睨みつけ口許をだらしなく曲げた。
口からダラダラと涎が垂れている。
祐輔は驚きから、恐怖に変わりその場で固まった。
蛇に睨まれた蛙とは、このことである。
――何なんだ!
あいつはレッサーパンダの風太君の知り合いか!?
…こっち見てる。
マズい身体が動かない。
…こ、殺される……
祐輔は死という恐怖を感じ、ついには身体をガタガタと震わせ目に涙を浮かばせる。
傘「言い忘れてたけど、ああいう獣もいやがる。って何ビビってんだよ。まぁ、無理もねぇか」
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