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人狼は抵抗してこない獲物を見て目を細め、襲いかかる。
その速さは人間の比ではない。
死が祐輔に訪れようとした刹那――乱入者が現れた。
それはナイフである。
どこからともなく、飛ばされたのだ。
そのナイフは人狼の顔面を掠め、後ろの木に深々と突き刺さる。
それに気をとられ、人狼は後ろへ振り返る。
何故、ナイフが……
誰が投げた……?
祐輔が疑問に思っていると、すぐに答えが帰って来た。
祐輔に背を向けた人狼に黒い物体が、体当たりをしたのである。
ふいのことで人狼は、防ぎきれず倒れた。
よく見ると、背中には剣が刺さっている。
体当たりした隙に剣を刺したのだろう。
何とか生き延びたな……
とにかく自分は助かったのだ、という安堵感に満たされた祐輔であった。
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