ようこそ、異世界へ

12/15
前へ
/111ページ
次へ
人狼は抵抗してこない獲物を見て目を細め、襲いかかる。 その速さは人間の比ではない。 死が祐輔に訪れようとした刹那――乱入者が現れた。 それはナイフである。 どこからともなく、飛ばされたのだ。 そのナイフは人狼の顔面を掠め、後ろの木に深々と突き刺さる。 それに気をとられ、人狼は後ろへ振り返る。 何故、ナイフが…… 誰が投げた……? 祐輔が疑問に思っていると、すぐに答えが帰って来た。 祐輔に背を向けた人狼に黒い物体が、体当たりをしたのである。 ふいのことで人狼は、防ぎきれず倒れた。 よく見ると、背中には剣が刺さっている。 体当たりした隙に剣を刺したのだろう。 何とか生き延びたな…… とにかく自分は助かったのだ、という安堵感に満たされた祐輔であった。
/111ページ

最初のコメントを投稿しよう!

20人が本棚に入れています
本棚に追加