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まるで過去にタイムスリップしたかのようだ。
しかしここは現代、それも異世界の。
ラギアは頃合いを見てか言う。
ラギア「そういうば、君の名前を聞いてなかったな」
ラギアはそう言って、ニヤリ笑む。
祐輔「祐輔です」
正直に答える。
ラギア「祐輔か。もう一度聞くが―――行く宛はあるか?」
ラギアはより笑みを深くした。
火の国に祐輔を知る人物などいるはずもない。
宛はない、というしかない。
これは一種の誘導尋問である。
…この人、実は悪人…?
いや、そんなことない助けてくれたし……
もしかしたら、助ける行為自体が罠なのか……?
考えれば考えるほど、泥沼化する祐輔の脳であった。
祐輔「ありません」
それが泥沼化した中での導き出した結論であった。
冷静にいや、普通に考えればすぐに出る答えである。
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