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現にラギアは祐輔が異世界から来た、と言った時にはあまり信じていなかった。
つまり、他に世界があることなど知らなかったのである。
祐輔「そうか…」
祐輔は渋い顔をして言った。
(だよな……せめて知ってそうな人はいるか、聞いてみるか)
少しの静寂の中、祐輔が沈黙を破る。
祐輔「じゃあ、せ――」
ラギア「そうだ!祐輔よ、王に聞けば分かるかも知れないぜ」
ラギアが祐輔の質問を遮り、言う。
話すタイミングがあってしまったのだろう。
だが、情報は手に入れた。
王なら知っているかも知れない、という情報。
その情報もラギアのような答えになってしまうかも知れない。
それでも祐輔には非常に希薄だが希望を抱く、情報であった。
(なるほど、王か。問題は―――どうやって話せるかだな……)
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