火の国

6/27

20人が本棚に入れています
本棚に追加
/111ページ
現にラギアは祐輔が異世界から来た、と言った時にはあまり信じていなかった。 つまり、他に世界があることなど知らなかったのである。 祐輔「そうか…」 祐輔は渋い顔をして言った。 (だよな……せめて知ってそうな人はいるか、聞いてみるか) 少しの静寂の中、祐輔が沈黙を破る。 祐輔「じゃあ、せ――」 ラギア「そうだ!祐輔よ、王に聞けば分かるかも知れないぜ」 ラギアが祐輔の質問を遮り、言う。 話すタイミングがあってしまったのだろう。 だが、情報は手に入れた。 王なら知っているかも知れない、という情報。 その情報もラギアのような答えになってしまうかも知れない。 それでも祐輔には非常に希薄だが希望を抱く、情報であった。 (なるほど、王か。問題は―――どうやって話せるかだな……)
/111ページ

最初のコメントを投稿しよう!

20人が本棚に入れています
本棚に追加