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青白い炎のようなものが祐輔を包んでいるのだ。
それこそが、練気である。
(何か、目眩が……)
身体の芯から徐々に冷たくなっていく。
祐輔はそのことに恐怖を抱き、両腕で身体を掴む。
爪が自分の皮膚に食い込んでいるのも、構わず。
白龍「そのままじゃ、練気が尽きて死ぬぞ!さっきの逆をやるんだ!」
白龍は必死の様子で助言を与える。
祐輔を助けるためだ。
(ぎゃ、逆……傘に溜まった何かを俺に戻す感じで…………)
しかし、いくらイメージしても青白い炎は消えない。
恐怖で集中できずにいるのである。
(集中、集中集中集中集中集中集中……)
俺はこんなで死にたくない―――死んでたまるか!
元の世界に帰るんだ!
祐輔は己の意志と決意を高め、恐怖を打ち消す。
そうすることで、集中することが出来る。
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