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だから平然と言う。
祐輔「俺が取り返しに行く」
王を真っ直ぐ見つめて言った。
その目は一点の曇りのない、迷いのない目である。
王「しかし…ね」
王は思ってもみなかった祐輔の言葉に、狼狽する。
だがすぐに、元に戻り祐輔に止めるように言う。
王「今日中にも、増援を出すから大丈夫だよ。それに、君は闘いの素人だ。下手に手出ししてもらうと困るな」
口調自体は優しいものの、言ってることは厳しい。
それは祐輔のことを案じて、言ったのである。
しかし、祐輔は退かない。
他人を宛にしても、前には進めない―――自分の力で進むのだ。
祐輔「それでも俺は行きたい。行きたいんだ!』
祐輔は相変わらず意見を変えずに言い続ける。
そんな祐輔に王は呆れたようにため息を着き頑固な子だ、と小さく呟いた。
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