盗人達の巣窟

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男は傘をハンマーに変化させた。 ハンマーの一撃を受けたら、ひとたまりもないであろう。 兵士達はゴグリと喉を鳴らす。 ふいに、男の姿が消えた。 右側面に微かな風を感じ、兵士は反射的に剣をそちらに構える。 そののち、右側面に衝撃が起こった。 男がハンマーを薙いだのだ。 剣で受け止めたが、防ぎ切れず吹き飛ぶ。 仲間のピンチに乗じてもう一人の兵士が、男に斬りかかる。 男は冷静に剣の軌道を見極め、ハンマーで防ぎそれで剣を振り上げ、兵士の手元から離す。 武器を失った兵士は顔を歪ませるが、なお諦めずに立ち向かう。 相手に裸で戦うようなものだ。 恐いはずがない。 それでも、無謀と分かっていてもやる。 この場所を守ることが任務なのだから。 それが、火の国の兵士の矜持である。
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