20人が本棚に入れています
本棚に追加
/111ページ
となると賊の動きを観察し、巡回する兵士に伝えるしかない、と兵士は考えた。
ふいに賊の肩に視線を向けた。
何か刺青が刻まれている。
それは龍を象ったものに鎖で縛られている、模様である。
(―――何だアレは?)
疑問に耽っていると、脇腹に何かが当たった。
そちらを向くと誰かいる。
その誰かとは、三人の賊の内の一人だった。
確か名前はカルロと言ったか……
カルロは不審な目付きで、兵士を睨みつける。
兵士はブルッと身震いをした。
カルロ「何をしている?」
カルロはそう言って、傘の先端で兵士の背中を突く。
兵士「ぐああぁぁ!」
兵士は叫ぶように悲鳴をあげた。
カルロは愉快そうに笑って
カルロ「お前で楽しませてもらうとするか」
ニヤッと口元を歪ます。
兵士は恐怖で吐き気を感じた。
最初のコメントを投稿しよう!