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賑やかな町に、暗く佇むビルがある。
ビルは人の気配はなく塗装があちこちで剥がれ落ち、亀裂が走っている。
そう、まさに廃ビルだ。
そんな廃ビルの玄関前に、二人の人影があった。
「遅い!」
「悪ぃ悪ぃ」
ちっとも反省してないように、いつもの調子で言ったのは晃だった。
当然、もう一人が祐輔ということになる。
祐輔は再び廃ビルを見つめた。
廃ビルは祐輔達を威圧するように建っている。
もう、使われていないというのに……
晃は改めて祐輔を見て
晃「何故に傘を持って来たのだ?」
上空は雲一つない、爽やか過ぎるくらいの青空だ。
なのに何故傘を?
と晃は問うているのである。
祐輔「念のためだ。というよりか護身用?」
若干のジョークを入れて言う。
晃は理由を聞けて、疑問が晴れた。
もちろん、ジョークはスルーである。
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