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すると、野球の玉くらいの泥の塊が無数に現れ、祐輔に襲いかかる。
カルロもやはり甘くはなかった。
一方アランは、というと……
アラン「二人いっぺんに来なよ」
アランは相手である、二人の盗賊に向かって言った。
と、一人の盗賊がニヤリと笑って言う。
「いいのかい?」
アラン「あぁ、いいとも」
もちろん、いいはずがない。
いくらアランが手練れであっても、楽な闘いではないだろう。
しかし、素人の祐輔が戦闘慣れしている、盗賊と闘っているのだ。
そっちの方が勝ち目がない。
だからすぐにでも、彼の元へ駆け出したいのだ。
(二人同時に相手すれば、早くカタが着く……)
自然と肩に力が入る。
「だってよ、マリック」
マリックと言われた盗賊はコクリと頷き、脇に抱えていた鏡を木に立て掛ける。
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