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アランは未だ動かない。
何かを待ち続けているように。
マリックが放った斧による一撃がアランに触れる刹那――
(――今だ!)
ついにその時が来た。
アランは腰を捻り、相手の一撃よりもさらに速い刺突を繰り出す。
勝利を確信していたマリックの表情が驚きに変わる。
刺突は斧の柄に命中し、マリックの手元から離れる。
アランはさらに蹴りを繰り出し、マリックを転倒させた。
アラン「さぁ、どうする?」
マリックの首筋に槍の切っ先を向け、言った。
マリックは一瞬、目を見開いたがすぐに元の表情に戻し、両手を上げる。
マリック「降参だ。捕まえるなり何なりしてくれ」
アラン「そのつもりだよ」
アランは口の端を吊り上げて言った。
(さて祐輔は無事か……)
マリックを気絶させ、再び祐輔の方へ顔を向かせた。
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