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祐輔は横に回転することで、泥の塊どもを回避した。
次の攻撃に備え立ち上がる。
想定の範囲内だといわんばかりに、再びカルロは無数の泥の塊を放出した。
祐輔「少しくらい休ませろっ!」
大声で愚痴を漏らしながらも、太刀を構え防ぐ。
しかし、全ては防ぎきれず直撃を許す。
祐輔に数発の硬式の野球の球が、当たったような衝撃が襲った。
カルロ「言ったはずだ。容赦はしないと」
カルロはハンマーを手で弄びながら、言った。
余裕を感じる仕草である。
一方、祐輔はその逆で服は泥により、茶色に染められ太刀を地面に突き刺し、それで身体を支えている。
満身創痍である。
しかし、祐輔の瞳からは敗北の色が見られない。
(――こんなところで負けられるか!帰るんだ、絶対に)
そんな気持ちであっても、当然いい策など思いつかない。
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