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だが、この距離からだと届かない。
そう思われた時―――太刀の切っ先から、斬撃が飛びカルロを切り裂いた。
カルロは地面へと倒れる。
驚愕で顔を歪ませながら。
祐輔は太刀に練気を纏わせ、振ることでそれを放ったのだ。
これは任務の前に修行の際、白龍が教えたのである。
祐輔「勝った……」
全身の力が抜けたかのように、地面に座り込む。
太刀から元の傘に戻った白龍が言う。
白龍「な、俺様の言うことを聞いて良かっただろ?」
祐輔「ああ。そうだな。ありがとう」
白龍「バ、馬鹿野郎!そんなこと言っても何も出ねぇぞ」
一瞬傘が赤くなった、と祐輔は思ったが見間違いだ。
だが、間違いないなく白龍は照れていただろう。
いつの間にかアランがいて、祐輔の肩に手を置き労いの言葉を掛ける。
アラン「よくやったな」
穏やかな表情で祐輔を見つめた。
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