さよなら、日常

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そこにすかすさず手を入れ、さらに力を加えた。 ガタガタと錆びれたような音を発し、自動ドアが人が通れるくらいの大きさに開く。 祐輔は数秒止まったのち、傘の柄を強く握りしめ廃ビルの中へ入った。 晃も後へ続く。 廃ビルの中はカビ臭い匂いが充満しており、機材などは無造作に倒れコピー用紙も床に散らばっている。 祐輔は下に注意をしながら進み、振り向かずに言った。 祐輔「ウワサの人が消える場所はどこだ?」 それを聞いた晃は、少し思案したのち言う。 晃「ん~、確かここ真っ直ぐ行って行き止まりにあるよ。因みにそこにある鏡に触れると…らしい」 おそらく晃は、自分なりに鏡のある場所の調べたのであろう。 でなければ、きっぱりと言えるはずがない。 それを聞いた祐輔はそれっきり喋らず、薄暗い空間をひたすら歩く。 何分歩いただろう、祐輔達の前方に何やらキラリと光るものがあった。
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