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祐輔達は火の国の門の前にいた。
ついさっきまで、ディメンションミラー奪還の命を受けていたのである。
任務は失敗してだ。
幸い、祐輔達に死者はいなかった。
さらに、盗賊の一人であるカルロを捕らえた。
そして、結果を火の王に報告するのだ。
アランは兵士達に指示し、火の国の出入り口である門を開けさせる。
内心、悔しいはずだ。
今からでも、マリックを追いかけたい気持ちはある。
それでも、その気持ちを捨て火の国に戻る。
それが最善の行動と思って。
アランはそう考えている。
門が開く音とともに、後ろから足音が聞こえた。
足を引きずっているような音がする。
どうやら、ケガをしているようだ。
祐輔も気づいたようで、後ろを振り向く。
そこには、真紅の鎧を纏った兵士だった。
火の兵士だ。
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