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兵士はわき腹を押さえていた。
鎧の隙間からうっすら、血が染み出ている。
顔も蒼白い。
何かあったとしか思えない。
アラン「どうした?」
兵士は木にもたれながら言う。
兵士「パトロール中に火の洞窟に入ろうとしている男を、止めようとしたのだが返り討ちにあった…」
火の国の兵士は、二人組みで巡回しているのだ。
半日ごとに組みを入れ替える、交代制である。
今いる兵士の数は、一人。
つまり、もう一人の兵士は歩けないほどの重傷を負ったのだ。
最悪、死も考えられる。
訓練などで日頃から鍛えている兵士を男は、打ち負かした。
一般人ではないだろう。
しかも、数でも不利な状況でも勝ったほどの強者だ。
アランはすぐさま最善の行動を考える。
アラン「俺と祐輔で洞窟へ行く。それ以外は、怪我した兵士を連れて火の王に報告してくれ。」
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