20人が本棚に入れています
本棚に追加
/111ページ
すると男は立ち止まり踵を返した。
男「いっそのこと闘うか。それはそれで楽しそうだしな」
舌で唇を舐め、口端を吊り上げた。
ダンとアンが新たに加わり、男を追っていた。
それから数十分後。
さっきまではひたすら同じ景色だが、今回は違った。
横に二人分ほどしかなかった幅が、何十人並んでも足りないくらいの空間が広がっていたのだ。
円形に拓けた場所である。
そこに見知らぬ男が立っていた。
祐輔「あれは誰だ?」
指を差して言った。
ダン「兵士ではないようだな」
男は鎧を纏ってはいなかった。
燃えるような赤髪と茶色の瞳の男だ。
アラン「となると、俺達が追いかけていた男だな」
そう結論づけた。
兵士でなくてこの洞窟にいるということは、そういうことになる。
こんな所にまず一般人は立ち寄らないのだ。
最初のコメントを投稿しよう!