2.出来事

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何でネクタイ?っつうか、何でまた馬乗り? そんな事を堅司は考えながら、一抹の不安が過ぎる。 (まさか……ねぇ?) 意を決して堅司は悠斗に聞いた。 「あのー、そのネクタイは何でしょう……」 「えっ?知りたい?」 堅司はコクコクと頷く。 「こうするんだよ」 そう言ってネクタイを口に銜え、堅司の両手を掴み頭上で片手で押さえると、ネクタイで器用に縛り付けた。 それは堅司が反抗出来ない一瞬の出来事だった。 「えっ、えっ?」 堅司は呆気に取られ口をパクパクさせる。 「野末が暴れるのが悪い」 「俺が悪いってどう考えたらそうなるんだ!!」 「怒鳴ったってその状態じや、怖くねぇし」 両手が縛られてるだけならまだしも、動かせないようにベッドの足と一緒に括られている為、動かせるのは足だけ。 その上馬乗り……。 そんな奴に威嚇されても怖くもないだろう。 (さて……どうしよう。) こうなっては、焦っても仕方ない。 堅司はこの状況をどう打破するか、冷静に考えるが、行き着く先には最悪な答えしか出てこない。 “言え”ば終わり “言わない”と…… 何をされるか分かったもんじゃない。 堅司は壁にぶち当たった。
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