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堅司がいくら考えても堂々巡り。
それに考えれば考える程に、この状況への不満が募る。
(何で大人しく馬乗りさせて縛られてんだ?俺って……バカ?)
「随分と静かじゃん。諦めたのか?」
「違うよ。すんなりこうされた自分に呆れてるんだよ」
そう言って、堅司は溜め息を一つ吐いた。
「あっそ。で、言う気になった?」
「しつこい男は嫌われるぞ」
「野末も粘るね。じゃあ、仕方ない……」
そう言って、悠斗は堅司のシャツのボタンに手を掛け、外し始めた。
流石の堅司もこれには抵抗をしたが、抵抗虚しく全てのボタンを外され、上半身が露わになる。
「西脇!!お前いい加減にしろよ!!」
「今、思ったんだけど野末って色っぽいな。」
「はっ?!お前、何言ってんの?」
余りに突拍子もない事を言う悠斗に、堅司は怒りより恥ずかしさが増す。
「肌は綺麗で、酒でほんのりピンク……お前男だよな?」
そう言うと、悠斗は確かめる様に、堅司の胸を弄る。
「あっ……」
突然の悠斗の手の感触に声が出てしまい、咄嗟に目を閉じ顔を背けた。
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