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夜11時を回った位だった。
ダラダラと飲み続ける事4時間余り。
それでも堅司と悠斗は酔ってはいなかった。
二人は酒に強い。
その為、よっぽど飲まない限り、酒に飲まれる事はない。
4時間飲み続けた位じゃ、程好く酒も回り始め、気分が乗ってくる程度だった。
いつもと変わらない会話。
教授の話しや授業の話し、それと噂話し。
そんな話しから、何故か悠斗によって恋愛話しに変わった。
「そう言えば、野末って浮いた話しとか聞かないな」
「何だよ唐突に」
「いや、ふと思ってさぁ」
浮いた話しなんか聞く訳がない。
堅司は……。
「そう言う西脇こそ、彼女の話しとか聞いた事ないぞ」
「俺は秘密主義だから」
悠斗はそう言って、ニッコリ笑った。
「で、彼女は?」
自分は秘密主義と言って、俺には聞くのかと、堅司は心の中でぼやきながらも答えた。
「居ない。で、西脇は?俺は素直に答えたぞ」
「俺は……最近、別れた……」
悠斗はそう言って酒を一口飲み、プハァと中年サラリーマンの様に息を吐いた。
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