2.出来事

4/17
前へ
/120ページ
次へ
夜11時を回った位だった。 ダラダラと飲み続ける事4時間余り。 それでも堅司と悠斗は酔ってはいなかった。 二人は酒に強い。 その為、よっぽど飲まない限り、酒に飲まれる事はない。 4時間飲み続けた位じゃ、程好く酒も回り始め、気分が乗ってくる程度だった。 いつもと変わらない会話。 教授の話しや授業の話し、それと噂話し。 そんな話しから、何故か悠斗によって恋愛話しに変わった。 「そう言えば、野末って浮いた話しとか聞かないな」 「何だよ唐突に」 「いや、ふと思ってさぁ」 浮いた話しなんか聞く訳がない。 堅司は……。 「そう言う西脇こそ、彼女の話しとか聞いた事ないぞ」 「俺は秘密主義だから」 悠斗はそう言って、ニッコリ笑った。 「で、彼女は?」 自分は秘密主義と言って、俺には聞くのかと、堅司は心の中でぼやきながらも答えた。 「居ない。で、西脇は?俺は素直に答えたぞ」 「俺は……最近、別れた……」 悠斗はそう言って酒を一口飲み、プハァと中年サラリーマンの様に息を吐いた。
/120ページ

最初のコメントを投稿しよう!

283人が本棚に入れています
本棚に追加