僕はレオ。

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 僕はレオ。 このチマチマと小煩く歩き回る少女の家族になった。  名前の由来は有名なアニメのライオンに姿が似てるから。 耳だけ黒くて、他の毛は白いんだ。    今日も僕は、タンスの上で、チマチマ歩き回る小煩い奴を待っている。  そいつは僕より1年早く生まれた人間の女の子。  ちょろちょろチマチマ歩き回るから、僕はそいつに野生本能を掻き立てられる。  狩猟本能とでも言えば、話は早いと思う。    チマチマ歩いてるアイツが…タンスの前を横切ろうとする。  今だ!  僕は迷わずそいつ目掛けて飛び掛かる。  頭にしがみついて、そいつの頭を噛むんだ。    痛い、怖い、嫌いと言って、泣きながらそいつはお母さんの元へ逃げて行く。    今日も僕の勝ちだ。  アイツはお母さんの所で泣いている。  僕はそっぽを向いた。    お母さんは、僕に優しい。  ご飯をくれる。  おトイレだって綺麗にしてくれる。  撫でてくれる。  一緒に寝てくれる。  悪い事をしたら、怒ってもくれる。  お母さんは、僕の事が好きなんだ!  お母さんは、僕のお母さんでもあるのに。  でも、人間の子供には、僕は勝てないんだ。
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