番外編:a graduation ceremony

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「お姉様はなんともなかったんですか? その、私に会えなくて……」 言ってて少し恥ずかしくなってくる なんだかこれ寂しかったって言わせたいみたいじゃん 「それは勿論寂しかったけど 私が寂しがってたら優姫は誰に甘えるの?」 う、それは…… 「お姉様、です……」 お姉様以外に甘えられる人なんていないよ でも寂しがるお姉様も見たかったな、なんて 「会えなかった分は今から取り戻すのよ 明日、卒業式が終わったら、私はもうこの学園から出て行くんだから 優姫とこの学園で過ごせる最後の夜 目一杯楽しみましょうね」 目一杯楽しむ、か そんなこと言っても流石に今すぐここでえっちなこと、とかはしないよね 楽しむっていうとそれしか思い付かなくなったのはきっとお姉様の所為だ お姉様って見かけによらずえっちなんだもん 「ここで、えっちなことではありませんよね?」 念の為聞いてみる まぁ流石にそんなことはないとは思うけど 「優姫がしたいなら」 「遠慮しておきます」 中庭に人があまり来ないとはいえ誰か来たら一巻の終わりだもん それにそういうことはやっぱり雰囲気が大事だし、なんてロマンチシズムなことを言ってみる なんとなく使った言葉だけど、意味合ってるのかな…… いや、それ以前にこんな言葉あるのかな…… そんなことを考えているとお姉様は私の髪をなでる 「優姫髪伸びたわね いや、伸ばしてるのかしら?」 お姉様するどいな…… 確かに私は髪を伸ばしてる だって、少しでもお姉様に近付きたいから
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