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「自分で洗えますよ」
私はそう微笑んでみる
これでお姉様が退いてくれたらオッケー
でもお姉様のことだからこんなんで下がるはずもない
「最後なんだからいいでしょ?
それとも私に触られるの、嫌?」
お姉様は寂しそうにそう尋ねてくる
嫌だなんて全く思ってない
むしろいつもだったら喜んで洗ってもらう
でも今日は流されないって決めたから
明日――っていうか今日の卒業式にも疲れは残さないようにしないとね
「嫌ではないですけど
自分で洗いますから」
「……そう、優姫はそんなに私に触られるの嫌なのね」
お姉様はそう泣きそうになってそういう
――いや、もうすでに泣いてる
そんな泣くほどのことかな……?
なんか罪悪感が……
お姉様を泣かせるなんて私最低
――泣かせるくらいなら洗わせてあげた方がいいのかも
「その、ちょっとだけですからね?」
「それじゃそこ、座って♪」
一瞬で泣き止む
――っていうより今の嘘泣きだったよね
でも語尾に♪までつけて嬉しそう
こんなに嬉しそうなお姉様見たの一昨日ぶりかも
――それほど見てないわけじゃないんだけどね
でも私はやっぱり笑ってるお姉様が一番好きだから
笑ってくれるんだったら、ちょっとくらいいいよね
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