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「大河?何ぼけっとしてんだ?」
「あ、あぁ、悪い」
このくそ暑い朝なのに、その子の周りだけは何故か涼しそうで、穏やかな空気が流れているように見えた。
そう、まるで灼熱の砂漠に咲く一輪の花といった感じだ。
大河は、「あぁ綺麗だなぁ」と知らず知らずのうちにつぶやいていた。
「なんだ?大河…もしかして、あの女に一目惚れか?そうなんだろ?」
「うるせぇなぁ!なんでもいいだろ!いちいち詮索すんなよな!」
大河は自分の気持ちがまだわからなかった。
ただ、間違いなく、自分にとってあの雰囲気が居心地のいい場所なんだということはわかっていた。
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