253人が本棚に入れています
本棚に追加
大河と海斗がホームでわいわい騒いでいるのを見ている女の子が一人。
「ふふっ、朝から元気な人たちもいるのね」
と思いながら小説を読み、電車を待っている。
「私もあんな男友達が欲しいな♪楽しそう♪それに、あの二人も私と同じぐらいの歳みたい。大学生ね、きっと」
大河はまさかその女の子が、こちらを気にしているとは思ってもみなかった。
しばらく眺めていたとき、ふと思ったことがあった。
「…なぜかな?あの人…初めて会った気がしない…」
なぜ思ったのかはわからないが、心が少しちくりとしたのは間違いなかった。
「おっはよー♪美奈!何ぼーっとしてんの?」
「あ、愛里!おはよう♪ぼーっとなんかしてないよ?」
さっきのちくりとした気持ちは何だったのか、不思議に思いながらも、気にならなくなっていた美奈だった。
最初のコメントを投稿しよう!