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――ピンポン――
電話から1時間と少し過ぎた頃、雪菜がやって来た。
思わず触りたくなるような頬っぺたに、真ん丸の瞳、ライトブラウンのボブショートに軽くパーマをかけた幼い顔立ちの可愛い私の親友―――雪菜。
いつもより瞳を輝かせて、好奇心に満ち溢れている。
「奈々子!まだ繋いでないよね!?」
雪菜が犬だったら尻尾を全速で回しているだろうと思った。
「まだだよ。とりあえず、あがりなよ」
「ハーイ、おっ邪魔しまーす」
簡単につまめる物とコーヒーを用意し、パソコンの前で待つ雪菜が元へと向かった。
――――…………‥‥‥‥‥
―――…………‥‥‥
――……‥‥‥
……‥‥
「‥‥ってことがあって、先輩に愚痴ってたらこの名刺をくれたの」
雪菜に黙りきれなくなった私は全て話していた。
悲しさと悔しさが再び私を襲い、頬には涙が伝う。
雪菜はただ私の背中を擦りながら黙って話を聞いていた。
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