海月

13/16
前へ
/234ページ
次へ
ザスッ 半ば叫ぶように言って、エルはベンチから跳んだ。 「堪忍な、兄ちゃん。こない話、忘れたって構へんから。」 ………。   「忘れないよ。だってエルが初めて僕に自分のこと、話してくれたんだから。そんな気がする。 ありがとう、話してくれて。」 「なっあっ、ありがとうはコッチのセリフ……やで………。」 ダッ いきなり駆け出して宿屋の入り口まで来ると、エルはコッチを向いた。 「ウチはもお寝るけど、兄ちゃんも早ぉ寝なあかんで?あと寝るときお腹出したまんまもあかんよ?ちゃんとお手洗いも済ましとくんやで?」 「うん、わかってるよエルマーナ。おやすみ。」 「…おやすみ、ルカ兄ちゃん。」
/234ページ

最初のコメントを投稿しよう!

199人が本棚に入れています
本棚に追加