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ペタッ
ペタッ
何かがほっぺたに当たる感触で、僕は目を覚ました。目を開けるとそこには……
「本当だな?しかし」
コーダが僕の顔を覗き込んでいた。
「どうしたの、コーダ?どうかした?」
常夏の国・ガルポス。
『王都の植民地という事にも関わらず、その豊かな果物の実りや天候等でリゾート地として貴族層に人気が高い。その反面、一般の観光客が使うような宿泊施設は整備が進んでいないのも事実だ。……今日のところは宿をとれただけでも良しとせねばな』…………夕方、リカルドがこんなこと言ってたっけ。
僕とスパーダとリカルドが居るのはその小さな宿屋の一室。イリアとアンジュ、エルマーナが使ってるのはその向かいの部屋。コーダもイリア達と一緒の部屋のはずなんだけど…………。わざわざこっちの部屋に来るなんて、何かあったのかもしれない。
「本当にお菓子持ってるんだな?コーダにもくれ、しかし」
「………。」
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