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月夜の晩に、ボタンがひとつ。
波打ち際に、落ちていた。
「お前さ、あれはひどくねぇか?」
赤い絨毯の部屋から出た僕は、近くで様子を窺っていた秋に話しかけられた。
「―――他人のこと、ぜんっぜん言えないくせによく言うよ」
「で、どうするよ? これから」
「知らねぇよ。好きにしろ」
僕はひどく疲れていた。
上から2つ目のボタンが外れた学生服を着崩した秋は、爽やかに笑う。
「じゃぁそうするよ」
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