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陽といっても、まるで硅石か何かのようで、
非常な個体の粉末のようで、
さればこそ、さらさらと
かすかな音を立ててもいるのでした。
「あ、あの猫」
私に見向きもせず、河原へ一直線だった猫を見つけた。もちろん河原で。
別に猫目当てで来たんじゃないよ? 私も水が欲しかったから来ただけなんだからねッ!
手で少しすくって水を飲み、流れを眺めていると、いつの間にか猫はいなくなっていた。
「起きろ。朝だぞ」
「―――知ってるよ」
起こされた。この前の夢が、続いてた。
「最近俺以外の人としてるだろ」
朝食の時間に言うか? そういうこと。
「別に関係ないでしょお兄ちゃんには」
「ある。大いに関係ある」
「何でよ」
「俺がいなくなったらどうする気だよお前」
「え? そんなの―――」
そんなの考えたこともなかった。だっているのが当たり前。てゆか話題それてよかった。
「いなく、なっちゃうの?」
「別に関係ないだろお前には」
「ある。大いに関係ある」
だがこの日常に刺激が欲しいのは確かである。
もし兄がいなくなっても、それなりにやっていけるような気がする。
でもなぁ。まだ私は高校生だし。
「で、誰としてんだよ」
「うわ話戻ったー」
「怒らないから、言ってみ?」
あ、この笑顔やばい。絶対言わない方がいい。
「し、知らないっ」
「じゃぁこうするしかないな」
ちょうど私がマグカップをテーブルに置いたとき。兄は私を倒した。
また始まるのか。耐えればいいんだ。慣れている。
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