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「そうでもないって。ただ、人に責任を転嫁するほど人でなしじゃ……」
と、そこまで口にしたところで。
少女が身を乗り出し、ジッと俺を見つめて、何か考え込んでいるのに気がついた。
身長差のせいで、自然と見上げられる形になるのだが、それがたまらなく可愛い。
その後光の射すような可愛さに、恥ずかしながら後ずさりしそうになる。身体から粒子とか放出してるんじゃないだろうか。
それにしても、近い。近いすぎる。
少しくらい、俺が男であることを意識していただきたいものだ。
「お前、名前は?」
俺の眼を真っ直ぐ見据えたまま、少女が訊ねる。心臓がどくんと跳ね上がった。
動揺を押し隠しつつ、今更かと呟くと、少女は「細かいコトは気にするな」と自嘲した。
「カルス。防衛学園3年だ。専門は光だけど、さっき見た通り、槍術も少し嗜んでる」
簡潔に自己紹介し、きっちり閉められた襟元につけてある、学園証を示す。
女子の学園証は、制服の腕の部分についているが、男子のそれは襟元にあるのだ。
学園については、説明するまでもないだろうし、割愛させていただく。
知りたいのであれば、エルアークに登録してから出直(ry
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