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「…そっか…
安心した」
信ちゃんは
あの頃と同じように
私の頭を撫でてくれた
今だって全然嫌じゃない
それどころか
ずっとこうしていたいような
心地よい温もり
駄目だよ
泣くな私
泣いたらただの
ずるい女だ
私は…
信ちゃんを
忘れたんだから
信ちゃんは
そんな私の心を見透かすように
私の頭から
手を離した
優しい微笑みを
浮かべたまま
「幸せになれよ
それが俺の
一番の幸せだ」
そうして
ゆっくりと
私に背を向けて
歩いていった
「信ちゃ…」
そのまま二度と
振り返る事は
なかった
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